Paraguay(パラグアイ)
南米の緩い国、パラグアイ
首都アスンシオン
第三の規模を誇りブラジルとの国境にあるシウダ・デル・エステ
アルゼンチンとの国境にある街、エンカルナシオン
北東部にあるペドロ・ファン・カバジェロ
中部の地方都市コンセプシオン
をご紹介します
パラグアイ基本情報
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公用語
スペイン語
グアラニー語
英語を話せる人は少ない -
通貨
グアラニー
※GsまたはPYG
1US$:Gs.7815
Gs.1000:20.12円
※2025年01月05日15時 -
日本との時差
12時間(10月~3月)
13時間(4月~9月)
※サマータイム実施国 -
電圧・プラグ
電圧:220V
プラグ:C・SE
独自路線を歩む国
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実際にパラグアイに住んでみた感想
パラグアイに7ヶ月住んだ感想です
【気候】
私が通して住んだのが11月~5月の真夏から秋に差し掛かった季節
※南半球なので日本とは真逆になります
アスンシオンは40℃を記録しつつ、カラっとした日もあれば、湿気を感じる日もありました
朝の9時過ぎから日本の夏でいう真昼間の日差し
昼から夕方までは常に昼のビーチのような照り付けなので、外に出る際は日焼け止めや日傘、水分補給が必須となります
日焼け止めは必須アイテムです
※1時間歩いた後に2Lの水を一気飲みしてもお腹が膨れないくらいに水分がなくなります
シウダ デル エステやエンカルナシオンは3℃ほど気温が低いのでまだ過ごしやすいです
逆にコンセプシオンやペドロ・ファン・カバジェロは激暑です
4月の終わりから、日中は暖かく、夕方以降は涼しくなり、夜は掛布団が必要な気温になりました
とても過ごしやすい季節です
【治安】
危ない場所を理解していれば基本的に問題ありません
メルカドでも押し売りをされることはなく、断れば直ぐに引いてくれます
一部、夕方以降は気を付けた方が良い街があります
【交通】
移動は車が基本です
バスに乗る場合は現金かSuicaのようなICカードをBiggie(コンビニみたいな店)等で購入(Gs.25000)してそこか、aqui pagoでチャージして、バスに乗ったらタッチします
現金の場合はGs.5000程(バスの運賃Gs.2700~3900くらい、クーラーがついている車両は高い金額になります)渡しているイメージです
カードでしか乗車できない場合もありますのでカードは必須です
またMoovitというアプリが便利ですが、バスが違う方向に行って正規ルートに戻ったり、そもそものルート自体が頻繁に変更されますので注意してください
乗るのも降りるのもバス停じゃなくてOKなのでかなり楽です
UberやBoltが頻繁に利用されていますが、基本的に現金払いじゃないとトラブルになりますので注意してください
コンセプシオンやペドロ・ファン・カバジェロではUberやBolt、バスがありません
また車優先社会なので、信号機のない道では基本的に車は止まってくれません
歩行者が合間を縫って渡ります
そして排気ガスがかなり凄いので喘息持ちの方には厳しい環境です
【通信】
通信会社はClaro(クラロ)、Personal(ペルソナル)、Tigo(ティゴ)辺りが有名なところ
ぶっちゃけどれでもOKですが、どの会社でも場所により3Gになることがあるのでどれもどれといった感じです
契約は月々払いとチャージしての前払いがあります
新しいプランが次々登場しますのでなんとも言えませんが、6GBの月々契約で月Gs.120.000くらい、1年半は半額とかの契約になります
また、プランにより、ラテンアメリカや北米も含めた全てでローミング可能だったりと意外と有能です
支払いは各会社に行くか、Aqui Pago(アキパゴ)といわれる収納代行サービスがそこらへんにあるのでそこで支払います
パラグアイの口座があれば引き落としも可能、カード決済も可能です
※日本発行のVISAカード、Wiseのデビットカードではネットから支払いができませんでした
アメリカ発行のマスターカードで支払う事ができました
ネットスピードは契約によって変わると思いますが、Wi-Fiで200Mbps出ることもあったので通信インフラは問題ありません
【水質】
多くの人が20Lボトル入りのミネラルウォーターを購入していますが、特に問題なく飲むことができます
気になる方は煮沸すれば良いと思います
水質は日本に近い軟水なのでカルキが溜まったり、ヨーロッパのように洗濯機を使用した際に3時間かかることはありませんし、ミネラルがこびりつくこともないので掃除が楽です
【物価】
日本と比べて安い物もあれば高い物もあります
私の生活で「安い!」と思ったのはパン(1kg140円くらい)とケーキ(ホールで500円くらい)のみで、あとは特に変わりません
パンはヨーロッパでも同じくらいの値段なので、この国が特別安い訳ではありません
家族構成や生活の仕方で日本より安いと感じることも、高いと思う事もあります
お菓子は種類が少ないので飽きるかもしれません
そしてチョコは高級品です
MilkaのチョコがなんとGs.18.200(約340円!)
ヨーロッパで定番のNuteraも350gでGs.50.800(約950円)とやはり高い
魚は基本的に冷凍品となるので、魚が好きな人には辛いかもしれません
そしてたくさんの商品が安かろう悪かろうです
首都のアスンシオンでは特別価格が存在しますので他の都市に比べると10%ほど割高になります
また収入格差がかなりあります
一般的に月給がUS$600程(※2023年)ですので、質素な生活の方が多いです
一方高級外車やジム(アスンシオンは月額6~8,000円)に通う、
私がアスンシオンでオススメするジム、Premier Fitness Club Asunciónは月々Gs.299.000(約6,000円)
レストランで食事(1人5,000円ほど)をする方も多くいらっしゃいます
このカジュアル寿司でGs.195.000(約3,500円)
GDPで考えた場合、他の国と比べてアスンシオンの地価は異常に高いです
【両替】
アメリカドルからの両替が一番良いレートとなります
少しでも汚れている紙幣は両替できませんので注意が必要です
【チップ】
基本的に無しで大丈夫ですが、ちょっと手伝ってもらったとか、相手が欲しそうにしていたらGs.1000~2000(20~40円)くらいあげてください
【家について】
賃貸の場合、不動産サイトはありますが、多くの人がFacebookを活用しています
不動産を通さずに大家さんと直接契約することも一般的です
契約書を交わすことがほとんどですが、交わさなくても借りている側に権利は発生します
契約期間は基本的に1年間で、日本と同じく家電がない場合が多いです
家電を用意してもらえる場合もありますが、その場合は家賃が割り増しになりますので大家さんとの交渉となります
洗濯機置き場がない家やアパートも多く、その場合は手洗いをする為の桶があったりします
設置をする、自分でこすり洗いをする、洗濯代行を頼むという選択肢です
代行は1回US$5くらいするので結構高価です
また排水機能が弱い為、トイレの紙は流せませんので、紙はゴミ箱に入れます
ティッシュの概念もありません
お湯はタンクで温めての保温式か、電熱線での都度沸かしのどちらかとなります
ガスはプロパンでキッチンのみとなります
ガスタンクに入れてもらう形です
【生活】
この国では娯楽があまりなく、みんなで集まってアサード(バーベキュー)を楽しんだり、テレレ(冷たいマテ茶)を飲んで話しをするのが楽しみです
ゆったりとした国なので細かなことを気にしなくなります
老若男女問わずインスタで自分発信が好きです
大型スーパーやコンビニ感覚のBiggieは24時間営業していたりと、意外と便利です
スーパーで買い物する際のレジにて端数(Gs.100等)は切り下げや切り上げが多く、渡すのも貰うのも曖昧です
桁数が大きすぎてわからない場合はお金を広げるとレジの人が取ってくれます
基本的に多く取ってやるとか詐欺的なことはありません
女性もしょっちゅうジムに通って自分磨きを怠りません
アスンシオンでは停電が多い為、デスクトップPCを使用する場合はUPSが必須です
新しめのアパートには非常電源設備があり、停電しないようになっています
ネットショッピングも基本的にありません
NISSEIなどの大手家電量販店が個別でやっていますが、基本は店舗で購入した方が良いです
【人柄】
人柄は良く、細かな事を気にしませんし、アジア人差別をする人は少ない印象です
ただし簡単な英語でも話せない方が多いので、話ができないとストレスが溜まる方は要注意です
興味がある時は前のめりで来ますが、無くなるとサッと引く方が多い気がします
良い意味でも悪い意味でもみんな自分中心なので気を遣う必要はありません
若者も年寄も知らない人でも平等であり、上下関係というのが基本的にありませんので、知らない人同士でも平気で話をします
人によるのかもしれませんが信用はできても信頼はできない感じです
東南アジアでも良くあるパターンで、むしろ日本人が日本人を騙す話を良く聞きますので注意してください
男性も女性もお金を重要視します
男性はどれだけ良い暮らしをしているか、車や土地などアイテムの所持数や有名人と知り合いという話をしてヒエラルキーを気にします
女性も男性同様に、どれだけ良い暮らしをしているかをインスタで自慢することに明け暮れています
リトル東京といった感じ
また爆音で音楽を聴くのが好きな人たちが多く、明け方まで騒ぐ人が多いので神経質な人には厳しい環境です
【税金】
所得税は10%
消費税(VAT)は5%または10%の軽減税率
事業を行う場合はRUCと呼ばれる税コードを取得する必要があります
また申告は毎月行う必要があります
しかし外国源泉は非課税になるなど世界的に見ても恩恵がある国です
【郵便など】
郵便局からの発送ですが、これは信用できません
宅配サービスも特にないので、パラグアイ内での長距離配送はバス会社にオーダーします(1つGs.70000ほど)
大事な郵便や荷物を海外に送る、受け取る場合はDHLなどのサービスを使用する方が確実ですが、値段が高いのが難点です
また、アスンシオン以外の都市ではシウダ・デル・エステにあるくらいなのでその二都市以外では利用ができないと思ってください
ネット通販が普及しない一つの理由がここにあります
【まとめ】
パラグアイは永住権の取得要件が低いので移住に夢を見られている方が非常に多いと思いますが、合う合わないがかなりあると思います
気候の問題、お金の問題、医療の問題、文化の違いなど...日本と違う事がたくさんあります
この国で生計を立てることは厳しいので外貨を稼いでいる方でないと辛いです
リタイア年金組も収入的には問題ありませんが、年齢を考えると医療(国営は無料)の質が問題になります
人によりですが、日本との距離がかなり離れているのも問題と考えられる方もいます
自分で道を切り開ける方なら問題ありませんが、日本人コミュニティが必要な方は、村社会なので付き合いがかなりつらいと思います
私が会った日本人で良い人もいれば、確実に悪いだろうと思われる方も少なからずいらっしゃいました
悪いことが先行しましたが、パラグアイ人は大半が親しみやすく良い人なので、スペイン語が話せなくても自分から声を掛けていけば簡単にアミーゴ(友達)ができますし、娯楽が無さすぎるのでお金を使う事が全くありません
アスンシオンにはアスンシオン(山手線の内側エリア)とセントラル(23区外的な感じ)がありますが、セントラルでもちょっと離れると1ロット360㎡の土地付き物件を借りても月に2.3万ほど、買っても500万円ほど(2023年時点)です
ちなみに中心地(日本でいう表参道や広尾エリア)は家賃7万円以上、1ロットの土地360㎡の価格は$40万以上します
新しめのマンション1㎡辺りの金額は$1200~1500(2023年時点)です
お洒落をする必要がない(すると強盗に狙われるからむしろしてはいけない)為、肩ひじを張る必要がないのでストレスから解放されます
教育水準は高くない為、お子さんがいる場合は私立の学校やインターナショナルスクールに通う必要がある為、余計なコスト(年間US$7.000ほど)が必要となる場合が多いです
生活の仕方、家庭環境によっては緩くて良い国です
最終更新:2024/11/22
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パラグアイでの永住を考えてみる
さて、ここから【パラグアイに永住する】ということを考えてみます
日本人視点で考えたときに、パラグアイが適しているかはその人の家族状況、資産状況、年齢、持病などで大きく異なります
パラグアイで永住権を取得するには、婚姻ビザなどもありますが、自己で取得できるものとしては2024年時点で
①2年の一時滞在ビザを取得後に10年ビザに更新
または
②10間でUS$70.000拠出する事業を起こすSUACEプログラム
の2ルートです
どちらも難しい要件ではありません
①のルートの場合、2年の滞在中にRUCと呼ばれる税コードを取得して、そこでちゃんと生活していますということを証明できれば簡単にクリアできます
②のルートの場合10年間でUS$70.000なので年間US$7.000拠出すれば良い事になりますし、2年ビザをスキップして10年ビザを取得可能です
決算など面倒ごとはありますが、①のルートでRUCを取っても申告が必要なのは一緒なので面倒さは対して変わりません
ということで永住権のビザに関しては比較的簡単にクリアできます
どの国で生活するにしてもそうですが、【収入をどのように確保するか】ということが問題になります
①事業を起こす
②雇われる
③リモートで外貨を稼ぐ
の3つが考えられますが、②は正直論外です
というのは最低月給がGs.2.000.000(約4万円)です
そこから社会保障として従業員は9%、所得税が10%必要です
チップ文化のある国なので、サービス業なら上記以上には稼げるでしょうが、そもそもスペイン語が完璧でないと雇用主は雇うメリットがありません
①はアイデア次第では問題なく稼げると思います
しかし小規模の場合、一般的にはアスンシオン限定での話になります
現実的なのは③になりますが、オンラインで仕事ができる技術を持ち合わせていない人は厳しいでしょう
また、パラグアイは租税条約がない為、基本的には外貨を得た国、パラグアイの両方で課税されます
多くの方にとっての選択肢は①>③>②の順となるかと思います
【税金】は日本の消費税にあたる、付加価値税(VAT)が10%です
日本のように軽減税率で野菜などは5%になりますが、大抵の物は10%です
正直日本の消費税は世界的に見ても安い部類なので、同じ水準なのは助かります
また、所得税は日本のように累進課税ではなく、年間US$13.000以上稼いでいれば一律10%課せられます
社会保障費の負担はありますが、世界的に見てもかなりの低税率国家です
次に【生活費】についてです
2024年現在の生活必需品の物価は日本と比べて6~7割くらいだと思います
賃料もアスンシオンの中心エリア(1ロット360㎡で7,000万くらい)を除いては日本の地方都市の値段と変わりませんし、購入するにしてもそこまで高い値段ではありません
アスンシオン市内での外れの方(東京でいう板橋や葛飾区)なら1ロット360㎡で2,000万程度です
長期で住むのなら購入した方が後々を考えると安いです
一方PCなどのハイテク機器は日本よりも2~3割高価です
アスンシオンなら日本製品も多少購入できますが、100均で購入できるものは約300円です
大抵のものは安かろう悪かろうのではなく、コンビニ値段で悪かろうですのでコスパが良いとは言えません
パラグアイの東にある、ブラジル国境の街、シウダーデルエステでは免税店があり、10%オフで家電製品が購入できたりしますので多少良いです
Amazonのようなネット通販はできず、大手の家電量販店が個別でネットショップを運営しています
【生活インフラ】
アスンシオンの中心部でもよく停電があります
ですので、多くの新しいアパートでは無停電電源装置が備え付けられています
水については、そのまま飲むのには適していないと言われ、10Lタンクで購入される方が多いです
私はそのまま飲んでも腹を壊さないタイプなので、念のため煮沸してから水道水を飲みます
ガスはタンクに充当してもらう、いわゆるプロパンガスとなります
【通信】について
インターネットは都市部では全く問題なくつながります
携帯会社は、Claro(クラロ)、Personal(ペルソナル)、Tigo(ティゴ)の三社が有名です
どれも大差がありませんが、頻繁にラテンアメリカを旅行するのであればどの国にもあるClaroが最適です
月々の契約の他にプリペイド契約も可能です
利用方法によってはプリペイドの方が安上がりの可能性もあります
【交通】について
完全に車社会です
バイクも多く走っており、信号無視は当たり前で運転マナーはすこぶる悪いです
さすがお金で免許証を買える国です
市民の足であるバスは非常に便利です
時刻表はありませんが、好きな場所で乗降車可能です
排気ガスはすごいので喘息持ちの方には手厳しいでしょう
【治安】について
アスンシオン市内で深夜に一人で歩いて問題ないエリアもありますが、昼間に一人でいると危険なエリアも存在します
東京で比較的治安が良いと言われている杉並区や文京区を危険度20、新宿歌舞伎町を危険度50とすると、アスンシオンは危険度100~300くらいです
いろんな国、街に行ったことがありますが、日本の治安は群を抜いて良いですので、海外で日本レベルを求めるのは選択肢がかなり限られます
ですのでファミリーで暮らす場合は場所の選択を重要視する必要があります
【医療】について
国立の病院は無料となっていますが、質を考えると私立の病院に行った方が良いです
日本みたいに先進医療を受けることはできませんので、場合によっては滞在が厳しい国と言えるでしょう
さて、以上がパラグアイについてです
私個人の状況で考えるとパラグアイはかなり魅力的な国です
永住権を取得後は3年に1度パラグアイに戻ればOK(公式には1か月滞在すればOKとのアナウンス)なので、仮に違う国に行ったところで永住権をキープするのも容易です
日本の生活に疲れた方はパラグアイでのんびり生活してみるのも良いかもしれませんね